ヤッチーのブログ

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DEEP PURPLE ブラックモア脱退後スティーヴ・モーズ加入の「紫の証」Purpendicular

「紫の聖戦」を1993年に発表してから、リッチーブラックモアはパープルを脱退し、若いメンバー中心にレインボーを再結成します。
再結成レインボーの「孤高のストレンジャー」は中々の佳作でした。
それに反して、ブラックモアの穴埋めとして、スティーヴ・モーズを加入させた本家ディープ・パープルは、1996年に「紫の証」Purpendicular を発表しました。
ブラックモア信者が多かった為でしょうか、当アルバムは日本ではほとんど話題にならなかったように記憶しています。
当時の私もディープ・パープル=ブラックモアであり、ブラックモアがギターを弾かないパープルはDEEP PURPLEではないという頑なな固定概念が有りました。

DEEP PURPLE 「紫の証」Purpendicular 当時一切聞かなかったのですが、発売から22年経過して聴いたのですが、実に良いのです。
※サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミングは知っていました。ライブでは必ず演奏されていますので。

感想を要約すると
短所
・様式美は有りません。
・チャイルドインタイムのような高音のギランの美しいヴォーカルは有りません。

長所
ジョンロードのオルガンとスティーヴ・モーズのギターが火花を散らしている。
アンギランは歌ではなく、独自の楽器の様なボーカルラインになっている。
リズムやコードの展開がプログレッシブ!
イアンペイスのドラムがスイングしている。
アルバム通して、開放的で明るい。

リッチーが脱退したことが幸いしたのか、リッチーは極端なコード展開とかリズム展開には、技術的に対応できなかったと考えられますが、スタジオミュージシャンフュージョンギタリストのスティーヴ・モーズを入れることにより演奏のバリエーションが一気に爆発しているのです。
リッチーは昔から有名なので、好きなことだけができるし、それが災いして、興味の無い演奏の技術が身につかなくなったのであろうと推察します。
意外に良いのでびっくりです。振り返ればパーフェクトストレンジャーズ そんなに良いアルバムだったかな?と思えてきます。
当アルバムはジョンロードとスティーヴ・モーズの貢献度が著しいです。
ジョンロードってこういう風にも弾けたんだと。ブラックモアの音楽からの拘束が解き放されたような鍵盤プレイが凝縮しています。

1.ヴァヴーム:テッド・ザ・メカニック - Vavoom: Ted the Mechanic
のっけから今までのパープルには全く無かったファンキーな曲です。
ギランのボーカルはラップミュージック紙一重です。
モーズはワンコードでよくこれだけ格好良いギターソロ弾けますね?

2.ルースン・マイ・ストリングス - Loosen My Strings
サバイバーみたいな曲かと思ったら、サビでうっとりスマートな綺麗な従来のパープルには無い洗練されたメロディーが登場します。
ジョンロードのピアノが美しく、グローバーのベースもこっそり良いメロデイ―を弾いています。
ギターソロ後のキーボードも美しく、清らかな川を流れ下るようです。

3.スーン・フォーゴットゥン - Soon Forgotten
ハモンドオルガンのリフとギターリフが決してユニゾンはせず、別々の音を奏でます。
左オルガン 右ギター 中央 ギランの最盛期を過ぎている持ち味をいかしたボーカルもなんだかリフっぽい。
このリフはプログレ風であり、ややもすればエスニックでもあるのであるが、
その上に乗るジョンロードとモーズのソロが緊迫感があって凄いです。両者ともに際どい音使いをしておりとてもスリリングです。

4.サムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミング - Sometimes I Feel Like Screaming
これは名曲ですね。色んな方が称賛しています。
モーズの泣きのオブリガードが素晴らしい。表現力の引き出しがとても多く、単調そうなんですが毎回印象が異なります。
決して速弾きに頼らないオリジナリティー溢れるフレージングを連発しています。

5.カスケイズ:アイム・ノット・ユア・ラヴァー - Cascades: I'm Not Your Lover
教会風オルガンから始まるハードなロックンロールナンバーです。
Bメロの締り方も独特です。5曲目ではなく、1曲目に配置するべきだったのではと思います。
当アルバムでは異色な様式美系シーケンスフレーズも登場しますが、ブラックモアでもなく、イングウエイでもないモーズのオリジナルが溢れています。
モーズを加入させて大正解であり、その辺りのメタルギタリストとの格が段違いです。
バンドで演奏しても楽しそうです。まさにテクニック的に自信のついたバンド3年目当りに演奏するのに最適ではないでしょうか?
コピーしたくなります。

6.ジ・エイヴィエイター - The Aviator
こんな秀逸なバッキング、リッチーブラックモア先生には申し訳ないが出来ないでしょう。
ギランのボーカルをアイリッシュなギターで支えているような感じです。

7.ローザズ・カンティーナ - Rosa's Cantina
ブルージーに出だし聴こえます。
ギランのコーラスが被ってくる、これまた今までのパープルとは異質です。
ジョンロードのオルガンがジャッズぽい。ジミースミスのようで格好良いです。
このオルガンソロは、後年のリッチーの退屈なギターソロよりもはるかに良いではないでしょうか?
ギランのブルースハープもわずかに聞こえます。ロバートプラントのように上手くはありませんが。

8.キャッスル・フル・オブ・ラスカルズ - A Castle Full of Rascals
ハードなギターリフで始まる、ハードロックンロール。
レッドツエッペリンのワントンソングのようなリフという感じです。
静~動になり、キーボードソロがスリリング。
ジョンロードのオルガンソロがしびれるほど格好良いです。ブラックモア在籍時の型にはまったタイプのオルガンソロでは無いタイプです。
後半のモーズのギターソロも良い。

9.タッチ・アウェイ - A Touch Away
イントロのギター後の キーボードのメロデイが素晴らしい。
当曲でのジョンロードの貢献は、表現すれば、4曲目のサムタイムズ・アイ・フィール・ライク・スクリーミングのモーズのギターのオブリガードに相当します。
シングルカットされたのでしょうか?AOR風でもありますし。
バッキングで聞こえるアルペジオキーボードとでもいうのでしょうか?素晴らしいです。
ハードロックではない。Mr.Misterとかそんな感じです。
モーズも元スタジオミュージシャンらしく、曲の為のギターを弾いています。

10.ヘイ・シスコ - Hey Cisco
ブギーなハードシャッフルです。
イントロのアルペジオ、モーズはこういうの本当に得意なようですね。
場合によっては、VAN HALENのホットフォーティーチャーデイブリーロスのシャイボーイのようにも感じます。
グローバーのベースもスイングしています。
ハモンドオルガンもギターもスリリング。
イアンペイスのバスドラムもバタバタスイングしていて、ジャズっぽいです。
局所局所に入る速弾きのユニゾンは、ブラックモア先生ではできなかったフレーズと思います。
ジョンロードの速弾きオルガンソロ。イエンスヨハンソンではなく、ジョンロードがやはり元祖だと威厳が感じられます。ジョンロード無しにはイングウエイバンドのイエンスヨハンソンのあのような形態のプレイも無かったことでしょう。

11.サムバディ・ストール・マイ・ギター - Somebody Stole My Guitar
モーズの独特なギターリフ、ロードも実に張り切っています。

12.ザ・パーペンディキュラー・ワルツ - The Purpendicular Waltz 
プログレ
ハモンドオルガンのブルースソロが聴けます。

 

 当アルバムでの総括として、
アンギランもジョンロードも本当はこんな明るいアルバムを以前から作りたかったんではないかと?
リッチーブラックモアがバンドマスターであったので、ブラックモアの趣味と演奏力に合わせていたのではないかと?
ギランはチャイルドインタイムのような高音は出せないものの。持ち味を生かしたボーカリングを聴かせてくれます。
ジョンロードのオルガン、イアンペイスのスイングするドラム、ギランの妖艶な妖怪ちっくなボーカル。
そこにスティーヴ・モーズ。リッチーブラックモアに自由を奪われていた彼らが、好き放題に作ったアルバムではなかったかと?
当時の彼らはモーズを除き50過ぎ、実は一番脂が乗っている年代ではなかったでしょうか?脂が乗ったハードロックの生き字引のイアンギラン、ロジャーグローバー、イアンペイス、ジョンロードがブラックモアからの解放の祭典として、モーズと合体して名作を作った、そんな感じです。
パープルであることが証明される 正に DEEP PURPLEであることを証明した アルバムタイトル「紫の証」に相応しいアルバムではないでしょうか?
いやー、聴いて良かったです。